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ウォーキングブリーチ
最終更新日 2023年9月21日
監修:アメリカ審美歯科学会認定医、歯学博士 椿 知之

神経がない歯はウォーキングブリーチで白くできる?<2023年度版>
ウォーキングブリーチ

神経がない歯を白くする方法として最も一般的な方法がウォーキングブリーチです。
以前は健康保険の適用もあったため、多くの歯科医院で行われています。
ただ最近ではウォーキングブリーチ後に歯の根や骨が溶ける副作用も報告されており、ウォーキングブリーチを受ける際には十分な注意が必要です。

目次

1.ウォーキングブリーチとは?

2.ウォーキングブリーチの方法

3.ウォーキングブリーチの費用相場

4.ウォーキングブリーチのメリット、デメリット

5.ウォーキングブリーチで痛みが出る原因

6.ウォーキングブリーチで効果が出ない原因



1.ウォーキングブリーチとは?

ウォーキングブリーチは、神経がない歯の内部にホワイトニング剤を入れて白くする方法で、1963年から行なわれています。
歯の裏側に穴をあけて、元々神経があった穴の中に過ホウ酸ナトリウムと過酸化水素を混ぜ合わせたホワイトニング剤を封入し、1週間ごとにお薬を交換して白くする方法です。根の治療が完全に終了し、歯の根に問題がないことが条件です。
歯科医院のチェアーに座ってホワイトニングしてもらうのではなく、患者さんに帰宅してもらいホワイトニング剤を中に入れて歩きながら(ウォーキング)歯を白くするためこの名前が付きました。
今のオフィスホワイトニングやホームホワイトニングが出る前の1989年以前は、この方法しかなかったため、神経がある歯でも神経を取ってまでウォーキングブリーチを行っていた時代もあります。
現在のホワイトニングが開発された後も、日本では2006年までウォーキングブリーチに健康保険が適用されていたため、多くの歯科医院でこの方法が行なわれていました。現在でもウォーキングブリーチを行っている歯科医院はあります。

ウォーキングブリーチとは(英語版)

ウォーキングブリーチとは



2.ウォーキングブリーチの方法

1.レントゲン検査
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2.穴あけ
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3.ウォーキングブリーチ準備
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4.ホワイトニング剤の塗布
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5.ホワイトニング剤の交換
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6.ウォーキングブリーチ終了
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7.樹脂の詰め直し

ウォーキングブリーチの方法(英語版)



3.ウォーキングブリーチの費用相場

ウォーキングブリーチの料金は歯科医院によって異なりますが、1本5,000円~20,000円前後でお薬を交換する回数によって追加料金がかかります。



4.ウォーキングブリーチのメリット、デメリット

ウォーキングブリーチのメリット
・ホワイトニング剤を封入して長時間ホワイトニングを行うことができるため、かなり変色が強い歯でも白くなる可能性があります。
・2~3回程度で白くなるため、費用も1本10,000円前後と比較的安く済みます。


ウォーキングブリーチのデメリット
・ウォーキングブリーチ中に痛みが出ることがあります
・ウォーキングブリーチが終わってから数年後に歯の根やその周りの骨が溶けてしまう副作用(外部吸収)が報告されています。
この副作用は1~13%程度とされています。

Effect of intracoronal bleaching on external cervical root resorption



5.ウォーキングブリーチで痛みが出る原因



ホワイトニングはホワイトニング剤が分解するときに発生するフリーラジカルが歯の着色を分解して歯を白くします。
ウォーキングブリーチはホワイトニング剤を完全に密封して行う方法のため、根の治療やシーリングが不十分だったり、歯の根の深くまでホワイトニングを行ったりすると、発生したフリーラジカルが外に拡散することができずに歯の根元の象牙細管からシャーピー繊維を通って骨に到達し、歯の根の周りの組織や骨を刺激して痛みが出ます。この刺激が原因で骨を溶かす破骨細胞が生成されて骨と歯の根を溶かします(これを外部吸収といいます)。
神経がない歯に痛みを感じるということは歯の周りの組織に刺激が加わっているということです。
ウォーキングブリーチ中に痛みを感じた場合はすぐに歯科医師に相談してください。

ウォーキングブリーチで痛みが出る原因

骨や歯の根を溶かすリスクがないインターナルオフィスブリーチ



6.ウォーキングブリーチで効果が出ない原因

ウォーキングブリーチは効果が不確実で白くならない場合があります。
ウォーキングブリーチで歯が白くならない原因は、いくつか考えられます。

1.薬剤が漏れている―薬剤が漏れていると、当然効果は薄れてしまいます。薬剤が漏れている場合は、お口の中で薬品のような味がします。
2.虫歯や死んだ神経、詰め物などが残っている―物理的に取り除かないと、効果が十分に出ないことがあります。一部分が黒かったり、大きい詰め物がある場合は、効果が分かりにくくなってしまいます。
3.薬剤の濃度が低いか古い―通常は35~38%の薬剤を使用しますが調合によっては濃度が低くなる場合があります。これは歯科医師が意図的に行っている場合もありますし保存していた薬が古くなっている場合もあります。
4.ウォーキングブリーチは一般的に過ホウ酸ナトリウムと過酸化水素を混和したペーストを使用しますが、過酸化水素を使用せずに過ホウ酸ナトリウムだけでウォーキングブリーチを行う方法もあります。この方法ですと外部吸収を起こす可能性はかなり低くなりますが、ホワイトニングの効果はかなり弱くなります。

ウォーキングブリーチで白くならない場合はマニキュアやセラミックなど人工物を使用した方法をお勧めいたします。

マニキュアバナー

ウォーキングブリーチ以外に神経がない歯を白くする方法

ウォーキングブリーチの効果と方法(英語版)

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