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歯のクリーニングで歯は白くなる?
最終更新日 2024年4月20日
監修:アメリカ審美歯科学会認定医、歯学博士 椿 知之

着色やステインを落として白くする歯のクリーニングとは?<2024年度版>

なぜ歯のクリーニングが必要なのでしょうか。毎日しっかり歯磨きしているのに虫歯になってしまうのは不思議ではありませんか?定期的にプロによる歯のクリーニングを受けることによって汚れや着色を防ぎ、虫歯や歯周病を予防することができます。またホワイトニングの効果もアップします。毎日の歯磨きも必要ですが、歯磨きだけでは取り切れない汚れや着色は歯科医院でケアしましょう。

歯のクリーニング

目次

1.歯のクリーニングとは

2.歯のクリーニングの目的

3.クリーニングとホワイトニングの違い

4.歯のクリーニングの方法

5.各クリーニングのメリット、デメリット
 5-1 保険のクリーニング
 5-2 エアフロー(ジェット)によるクリーニング
 5-3 研磨ペーストによるクリーニング
 5-3-1 1本で仕上げ研磨までできるペースト
 5-3-2 粗さが違う2種類のペースト
 5-3-3 粗さが違う4~5種類のペースト

6.歯のクリーニングの費用相場
 6-1 保険で行うクリーニング
 6-2 美容目的のクリーニング

7.歯のクリーニングの頻度

8.まとめ



1.歯のクリーニングとは

歯の表面に付いた汚れ(歯垢)や歯石、着色を落としてきれいにすることをクリーニングといいます。クリーニングの中でも歯科医院で機械、器具を用いて行うクリーニングをPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning=機械を使用したプロによる歯のクリーニング)、またはプロフィラキシス(プロフィー)といいます。歯の表面に付いた茶渋やヤニなどの色素(ステイン)を落として、元の歯の色に戻すのが歯のクリーニングです。歯の表面に色素が着色して、変色している場合、歯のクリーニングのみで白くできる場合があります。歯自体の色が変色している場合は、歯のクリーニングの後にホワイトニングを行えば、歯の色を白くすることができます。

※歯のクリーニングと歯石除去
歯石除去(スケーリング)は歯の表面や歯の根に付いた歯石を取ることです。歯石取りは健康保険でカバーされていますので、保険診療を行っている歯科医院では歯のクリーニングの中に歯石取りが含まれている場合があります。ただ歯石取りと同時に歯のクリーニングを行った場合、歯の着色落としはサービスで行っている場合も多く、歯に細かい傷がついたままになっていることもあり注意が必要です。歯のクリーニングは少し高くても自費で受けるほうがいいでしょう。

保険診療で行うサービスクリーニング

出典 Teeth Cleaning: Guide to Professional Tartar Removal at the Dentist



2.歯のクリーニングの目的

歯のクリーニングの最大の目的は虫歯や歯周病の原因である歯の汚れを落として、病気を予防することです。また着色を落とすことで歯を白くすることができます。さらに歯を白くできるホワイトニングを行う場合は、事前に歯の着色を落として元の歯の状態にすることによってホワイトニングの効果がアップします。

クリーニングの前後

歯の着色で歯が黄色い場合は、クリーニングだけで白くすることができます。

歯の着色の原因

歯は日常の飲食で着色してきます。ティーカップや湯飲み茶碗の着色は陶器の表面に茶渋がついてくることにより起こるのですが、お茶を飲み終わるまでの短い時間でも毎日使っていると真っ白な陶器の底のほうが茶色くなってきます。これと同じことがお口の中でも起こっていて、コーヒーや紅茶が好きで毎日飲んでいる人は歯に茶渋がついてきます。具体的にはコーヒー、紅茶、烏龍茶などのお茶類、赤ワインやブルーベリーやぶどうなどタンニンが含まれたフルーツは歯に沈着しますので注意が必要です。これらのものを食べたり飲んだりした後にはなるべく早く歯を磨くか、うがいだけでもすることをお勧めします。

歯の着色の原因



3.クリーニングとホワイトニングの違い

クリーニングとホワイトニングの違い

クリーニングは研磨剤を使用し、歯の表面に付いた着色(ステインや茶渋、ヤニなど)を落とす方法です。1回で元の歯の白さには戻すことができますが、何回行っても歯本来の白さ以上白くすることはできません。ホワイトニングはホワイトニング剤を歯に塗って歯の色を分解して白くしますので、本来の歯の色より白くすることができます。



4.歯のクリーニングの方法

1.歯石取り歯石取り
▼
2.着色落とし着色落とし
▼
3.研磨研磨
▼
4.仕上げ仕上げ



5.各クリーニングのメリット、デメリット

5-1 保険のクリーニング
保険診療でできる歯のクリーニングは歯石除去と歯面研磨です。一般的な歯の着色を落とす歯のクリーニングは保険適用外となります。

メリット)
  • 健康保険が適用されるため、費用が安く済みます。全体のクリーニングで数千円です。ただしクリーニングが認められるためには歯周炎の診断が必要なため、各検査代が別途かかってきます。

デメリット)
  • 保険の制度上、1回で全体のクリーニングを行うことができません。検査を含めて最低2回の来院が必要になります。
  • 歯の着色を取る目的では行われないため、着色を落としても歯科医院側のサービスとなります(サービスクリーニング)。そのため時間はかけられず、多くの場合歯面は細かい傷がついたままになっています。細かい傷がついたままですとクリーニング後の歯面は着色しやすくなってしまいます。
  • 保険診療の場合、短期間にクリーニングを受けることができません。一度クリーニングを受けると次回のクリーニングは数か月~一年以上空けないと保険が適用されません。定期的に着色を取るには自費のクリーニングが必要になります。
  • 保険診療で行うサービスクリーニング


    5-2 エアフロー(ジェット)によるクリーニング
    エアフローによるクリーニング

    重炭酸ナトリウムなどを主成分とした専用のパウダーを高圧で歯面に吹き付けて着色を除去する方法です。

    メリット)
    • 短時間で着色を取ることができます。
    • 矯正中でも細かいところのクリーニングが可能です。

    デメリット)
    • 使用するパウダーがしょっぱく人によっては不快に感じることがあります。また高圧で吹き付けるため、歯茎に当たると痛みを伴います。
    • エアフロー後は研磨ペーストによる仕上げ磨きを行わないと、歯の表面に細かい傷がついたままになっているため、着色が付きやすくなります。
    • 重炭酸ナトリウムの使用が禁忌の方には使用できません。



    5-3 研磨ペーストによるクリーニング
    最も一般的なクリーニング方法です。ブラシやラバー製のカップで粗い研磨剤から細かい研磨剤まで順番に使用していくことで、歯の表面をツルツルにして着色を付きにくくします。1本で仕上げ研磨までできるタイプや4~5種類の粒子の違うペーストを順番に使用するタイプまで様々なペーストがあります。

    研磨ペーストによるクリーニング



    5-3-1 1本で仕上げ研磨までできるペースト
    1本で仕上げ研磨までできるペースト

    ペーストの中の研磨剤が使用している間に徐々に細かく砕けて一種類のペーストで仕上げまでできるタイプ。初めから使用すると着色が取り切れないまま細かくなってしまう場合もあり、使用にはコツが必要です。保険の歯面研磨やエアフロー後の研磨に使用されます。

    メリット)1本のペーストで着色落とし~仕上げ研磨までが可能です。
    デメリット)仕上げまで丁寧に行うことが難しい



    5-3-2 粗さが違う2種類のペースト


    粗いペーストと細かいペーストの2種類で行うタイプ。粗いペーストで着色を落とし、細かいペーストで仕上げ磨きを行います。30分~1時間程度の短時間でクリーニングを行うクイッククリーニングで使用されます。



    5-3-3 粗さが違う4~5種類のペースト


    粗さの異なるペーストを粗いものから順番に使用し、最後は歯の艶出しを行います。艶出しまで行うため、着色が付きにくくなります。木や石、金属などを磨く際に紙やすりを粗いものから順番に使用して磨き上げるのと同じ原理です。1種類ずつ丁寧に使用するため、お口の中全体のクリーニングで1時間半~2時間程度かかります。

    ティースアートのプロフェッショナルクリーニング



    6.歯のクリーニングの費用相場

    6-1 保険で行うクリーニング
    クリーニングの中でも歯石取りは保険適用になり、簡単な歯石取りでは1回数百円、お口の中全体で検査費用を含めて3,000円前後です。ただ保険のルール上、1回ですべての歯の歯石取りを行うことはできません。また歯の着色を取る目的で行うクリーニングは保険適用外です。


    6-2 美容目的のクリーニング
    歯の着色を落として歯を白くする美容目的のクリーニングは保険が適用になりません。一般的には1時間10,000円前後が相場です。着色を落とすだけの簡単なクリーニングですとお口の中全体で1時間程度で終わりますが、着色を落とした後に歯に付いた細かい傷を磨いて仕上げると2時間くらいで15,000円~20,000円です。



    7.歯のクリーニングの頻度

    歯の着色度合いには個人差があります。一般的には半年に一回程度で十分ですが、お茶やコーヒー、たばこなど着色しやすいものを多く摂る人は3~4か月に一回程度のクリーニングをお勧めします。なお歯の健康を維持するためのお掃除は4か月ごとに行うのが効果的です。



    8.まとめ

    歯に着色がある場合は歯のクリーニングだけでも白くすることができますが、歯本来の白さより白くするにはホワイトニングが必要になります。美容目的ではなく定期的に歯のクリーニングを受けることは歯の健康維持につながり、歯をいつまでも長く使うことができます。



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    Dr.TSUBAKI  監修 Dr.TSUBAKI (椿 知之)
     アメリカ審美歯科学会認定医、歯学博士

     プロフィール

     アメリカ審美歯科学会(ASDA)認定医、フェロー
     日本歯科審美学会 常任理事、認定医、
     日本アンチエイジング歯科学会 常任理事、認定医


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