最終更新日 2023年2月2日
監修:アメリカ審美歯科学会認定医、歯学博士 椿 知之
監修:アメリカ審美歯科学会認定医、歯学博士 椿 知之
着色やステインを落として白くする歯のクリーニングとは?
毎日歯磨きしているのになぜ歯のクリーニングが必要なのでしょうか。 定期的にプロによる歯のクリーニングを受けることによって汚れや着色を防ぎ、虫歯や歯周病を予防することができます。 またホワイトニングの効果もアップします。毎日の歯磨きも必要ですが、歯磨きだけでは取り切れない汚れや着色は歯科医院でケアしましょう。

目次
1.歯のクリーニングとは
2.歯のクリーニングの目的
3.クリーニングとホワイトニングの違い
4.歯のクリーニングの方法
5.各クリーニングのメリット、デメリット
5-1 保険のクリーニング
5-2 エアフロー(ジェット)によるクリーニング
5-3 研磨ペーストによるクリーニング
5-3-1 1本で仕上げ研磨までできるペースト
5-3-2 粗さが違う2種類のペースト
5-3-3 粗さが違う4~5種類のペースト
1.歯のクリーニングとは
2.歯のクリーニングの目的
3.クリーニングとホワイトニングの違い
4.歯のクリーニングの方法
5.各クリーニングのメリット、デメリット
5-1 保険のクリーニング
5-2 エアフロー(ジェット)によるクリーニング
5-3 研磨ペーストによるクリーニング
5-3-1 1本で仕上げ研磨までできるペースト
5-3-2 粗さが違う2種類のペースト
5-3-3 粗さが違う4~5種類のペースト
1.歯のクリーニングとは
器具を用いて行うクリーニングをPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning=機械を使用したプロによる歯のクリーニング)といいます。
歯の表面に付いた茶渋やヤニなどの色素(ステイン)を落として、元の歯の色に戻すのが歯のクリーニングです。
歯の表面に色素が着色して、変色している場合、歯のクリーニングのみで白くできる場合があります。
歯自体の色が変色している場合は、歯のクリーニングの後にホワイトニングを行えば、歯の色を白くすることができます。
※歯のクリーニングと歯石除去
歯石除去(スケーリング)は歯の表面や歯の根に付いた歯石を取ることです。歯石取りは健康保険でカバーされていますので、
保険診療を行っている歯科医院では歯のクリーニングの中に歯石取りが含まれている場合があります。ただ歯石取りと同時に
歯のクリーニングを行った場合、歯の着色落としはサービスで行っている場合も多く、歯に細かい傷がついたままになっている
こともあり注意が必要です。歯のクリーニングは少し高くても自費で受けるほうがいいでしょう。
保険診療で行うサービスクリーニング
2.歯のクリーニングの目的
また着色を落とすことで歯を白くすることができます。さらに歯を白くできるホワイトニングを行う場合は、
事前に歯の着色を落として元の歯の状態にすることによってホワイトニングの効果がアップします。

歯の着色の原因
歯は日常の飲食で着色してきます。ティーカップや湯飲み茶碗は使っているうちに真っ白な陶器の底のほうが茶色くなってきます。
あれは陶器の表面に茶渋がついてくることにより起こるのですが、お茶を飲み終わるまでの短い時間でも毎日使っていると茶色く着色してきます。
これと同じことがお口の中でも起こっていて、コーヒーや紅茶が好きで毎日飲んでいる人は歯に茶渋がついてきます。
具体的にはコーヒー、紅茶、烏龍茶などのお茶類、赤ワインやブルーベリーやぶどうなどタンニンが含まれたフルーツは歯に沈着しますので注意が必要です。
食べたあと舌に色がつくようなものはなるべく避けたほうが良いでしょう。
これらのものを食べたあとにはなるべく早く歯を磨くか、うがいだけでもすることをお勧めします。

3.クリーニングとホワイトニングの違い

クリーニングは研磨剤を使用し、歯の表面に付いた着色(ステインや茶渋、ヤニなど)を落とす方法です。
1回で元の歯の白さには戻すことができますが、何回行っても歯本来の白さ以上白くすることはできません。
ホワイトニングはホワイトニング剤を歯に塗って歯の色を分解して白くしますので、本来の歯の色より白くすることができます。
※歯科医院以外で取り扱っているセルフホワイトニングは過酸化水素を使用することができないため、
歯の表面の着色を落として白くするクリーニングと同じ効果です。
4.歯のクリーニングの方法











5.各クリーニングのメリット、デメリット
5-1 保険のクリーニング
保険診療でできる歯のクリーニングは歯石除去と歯面研磨です。一般的な歯の着色を落とす歯のクリーニングは保険適用外となります。メリット)
・健康保険が適用されるため、費用が安く済みます。全体のクリーニングで数千円です。ただしクリーニングが
認められるためには歯周炎の診断が必要なため、各検査代が別途かかってきます。
デメリット)
・保険の制度上、1回で全体のクリーニングを行うことができません。検査を含めて最低2回の来院が必要になります。
・歯の着色を取る目的では行われないため、着色を落としても歯科医院側のサービスとなります(サービスクリーニング)。
そのため時間はかけられず、多くの場合歯面は細かい傷がついたままになっています。細かい傷がついたままですと
クリーニング後の歯面は着色しやすくなってしまいます。
・保険診療の場合、短期間にクリーニングを受けることができません。一度クリーニングを受けると次回のクリーニングは
数か月~一年以上空けないと保険が適用されません。定期的に着色を取るには自費のクリーニングが必要になります。
5-2 エアフロー(ジェット)によるクリーニング

重炭酸ナトリウムなどを主成分とした専用のパウダーを高圧で歯面に吹き付けて着色を除去する方法です。
メリット)
・短時間で着色を取ることができます。
・矯正中でも細かいところのクリーニングが可能です。
デメリット)
・使用するパウダーがしょっぱく人によっては不快に感じることがあります。また高圧で吹き付けるため、歯茎に当たると痛みを伴います。
・エアフロー後は研磨ペーストによる仕上げ磨きを行わないと、歯の表面に細かい傷がついたままになっているため、着色が付きやすくなります。
5-3 研磨ペーストによるクリーニング
最も一般的なクリーニング方法です。ブラシやラバー製のカップで粗い研磨剤から細かい研磨剤まで順番に使用していくことで、歯の表面をツルツルにして着色を付きにくくします。1本で仕上げ研磨までできるタイプや4~5種類の粒子の違うペーストを順番に
使用するタイプまで様々なペーストがあります。
5-3-1 1本で仕上げ研磨までできるペースト

ペーストの中の研磨剤が使用している間に徐々に細かく砕けて一種類のペーストで仕上げまでできるタイプ。
初めから使用すると着色が取り切れないまま細かくなってしまう場合もあり、使用にはコツが必要です。
保険の歯面研磨やエアフロー後の研磨に使用されます。
5-3-2 粗さが違う2種類のペースト

粗いペーストと細かいペーストの2種類で行うタイプ。粗いペーストで着色を落とし、細かいペーストで仕上げ磨きを行います。
30分~1時間程度の短時間でクリーニングを行うクイッククリーニングで使用されます。
5-3-3 粗さが違う4~5種類のペースト

粗さの異なるペーストを粗いものから順番に使用し、最後は歯の艶出しを行います。艶出しまで行うため、着色が付きにくくなります。
木や石、金属などを磨く際に紙やすりを粗いものから順番に使用して磨き上げるのと同じ原理です。1種類ずつ丁寧に使用するため、
お口の中全体のクリーニングで1時間半~2時間程度かかります。
ティースアートのプロフェッショナルクリーニング